原発事故子ども・被災者支援法 その後 

原発事故子ども・被災者支援法(以下、支援法)が理念倒れでなく、現実に血の通った施策となりますようにと願ってブログに書いたのは先月のことでした。
http://hinan-yamaguchi.hatenablog.jp/entries/2015/06/17

支援法の理念をおさらいしておきましょう。
放射性物質による放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明され

 ていない
・避難・居住・帰還という被災者の選択を国が支援する
健康被害の未然防止
・一定の線量以上の地域を支援対象地域とする
被災者の意見を基本方針に反映させる というものです。

ところが、7月10日に復興庁が発表した「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」はこの理念と、避難区域外避難当事者の多くが避難の継続を望んでいる現状を無視した内容でした。支援法をめぐる状況は避難当事者の願いとはかけ離れた方向へと進んでいます。

今回の改定案の一番の問題点は、「放射線量は発災時と比べ大幅に低減し、避難する状況にない」、「自主避難も強制避難も同じく、原則、帰っていただきたい」という復興庁の竹下大臣の発言に要約されています。

改定案に添付されている「外部被ばく線量推計」をみても、避難区域以外の地域でも年間1mSv以上の地域が多く広がり、5mSv以上に達する場所も少なからずあり、線量が十分低減しているという状況とはいえません。

さらに福島県の子どもたちに甲状腺がんが多発している問題にも触れていません。まったく関連がないと言い切れるのでしょうか。

福島の子どもの甲状腺がんは事故前の60倍超/ 判断材料示さず帰還を促進する国(まさのあつこ) - 個人 - Yahoo!ニュース

帰りたくても帰れない状況だから、私たちは避難を選択しているのです!

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当日の模様はこちらに詳しいです。
福島「避難する状況にない」〜子ども被災者支援法基本方針改定へ | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

この改定案を巡って東京と福島で説明会も開かれたそうです。
その後、「自主避難者の支援は不要」という原子力規制委員会の田中委員長の発言に続いて、復興庁が支援法を完全否定する内容のメールを田中委員長に出していたことも発覚、避難当事者の願いどころか、事態はとんでもない方向に動いているようです。(続く)