私たちの声 

福島第一原発事故によって避難移住してきましたというと、福島県から、あるいは東北三県からですかと問われることが多いですが、必ずしもそうではありません。東日本は原発事故により拡散した放射能で広範囲に汚染されており、実際に健康被害に遭われた方もいらっしゃいます。宮城、福島、群馬、東京、神奈川、埼玉など東日本各地から、まだ汚染が少ない西日本へ、山口県へと避難してきているのです。

避難してきた一人ひとり、避難元の地域も、避難を決心するまでの事情もさまざまに異なります。「避難移住者」とひとくくりにしないでほしいとも思います。どうか、私たちの声を聞いてください。

MMさん  「平成24年10月末に関東から避難してきました。福島第一原発の放射性物質は依然として拡散が止まっていないため、関西から西へ移住したいという思いがありました。促しがあり、山口に縁ができ、美しい山や木々に魅せられ、心を決めました。山口が大好きです。これからは東北や関東からの受け入れ、生活することのお手伝いをしたいと思っています」 

MM子さん  「東京から、2011年3月13日に避難してきました。五人家族で検討した結果、原発事故は最悪が起きているから危ないということになり、とりあえず山口県へ来ました。
関東の汚染はひどくなるばかりです。避難が長引くなか、三名が失業しました。仕事を探したのですが見つからず、故郷を離れる寂しさもあり、子供を含む四名は帰りました。
今も、地震が頻発しています。また、何処で何が起きるかわかりません。次に備えて、一名は、山口県に残りました。放射能の影響は深刻であり、マスコミは、予防原則にもとずいて報道すべきです」