【お願い】支援法改定案について復興庁にパブリックコメントを。

 

原発事故・子ども被災者支援法」(以下、支援法)は、原発事故で汚染された地域から、避難する・残る・戻るなど、当事者の選択が尊重され、どのように選択しようとも適切な支援を受けることができる旨をうたったものです。実際には避難指示区域以外には支援策はほとんどありませんが、それでも避難を選択した方々の精神的支えとなっています。ところが、先日、復興庁が示した改定案はいくつも問題点を含み、原発事故のために避難を選択した被災者の人権(避難の権利)が踏みにじるものです。

避難指示の解除、被害者賠償の打ち切り、そして今回の支援法改定は、東京電力福島原発事故をなかったことにしたいという国の意向を強く表したものとしか思えません。

当事者の声を無視してまとめられようとしている改定案について、皆さまのご意見をパブリックコメントとして復興庁にお寄せください。〆切は8月8日17時です。

こちらの意見提出フォームから送ることができます。http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=295150710&Mode=0

f:id:hinan-ijyu:20150728143721j:plain(復興庁資料より)

【問題点】
1)支援対象地域はむしろ拡大すべき

支援対象地域(避難指示区域を除く福島県中通り及び浜通りの市町村)について、「縮小、撤廃」することが適当としています。被災者が、いずれの地域かにかかわらず定住支援をする」という支援法と、支援対象地域を縮小、撤廃の方向性は矛盾しています。

2)甲状腺がん」以外の疾病に関しても幅広い検査が必要。
事故から28年たったチェルノブイリでも、「甲状腺がん」以外に呼吸器疾患、肝臓組織の疾患、血液系障害、免疫障害などが確認され、総合的な健康診断が続けられています。ところが、今回の事故による放射線被ばくによる生物学的影響は現在のところ認められておらず、今後も放射線被ばくによって何らかの疾病のリスクが高まることも可能性としては小さいとして、「甲状腺がん」以外は言及されていません。

3)害当事者の声を反映させるしくみをつくるべき

支援法は、「基本方針を策定しようとするときは、あらかじめ、その内容に東京電力原子力事故の影響を受けた地域の住民、当該地域から避難している者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずる」としています。今回の改定案についても避難当事者の意見を聞くことがありませんでした。被災当事者の意見を反映させる協議機関なが必要です。

参考サイト:FoE JAPAN